水神様の不思議な話も伝わっているものも一つ。ここでは、実家に里帰りした大学生の話を紹介します。
ある夏の日のこと。偶然出会った幼なじみと少し飲んでの帰り道でした。水神様に寄ろうということになったそう。
水神様というのは、名前の通り水神が祀ってある小さな神社で、子どもの頃は遊んではいけないと言われた場所。入口に鳥居があり、剥がれた石畳が小さな祠まで続いています。
手入れもされてないようで、雑草を払いのけながら奥まで進みました。数分で祠につき、その先にある湧き水に蛍がいないか見に行くことにしました。
木々を抜けた瞬間のこと。空の色が変わり、雲が途方もない早さで流れていました。風景も何か違っていて、区画整備がされ碁盤のように田んぼがあるはずが、ぐねぐねと曲がったものになっていました。すぐに帰ろうとしましたが、体は見とれて動けません。
そのうに祠のほうから、小さなお爺さんがやってきました。神主のような格好をした人物で、いずこから来たのかと聞かれました。さらに、この時分は水神様に来てはいけないとも。
男性は田舎のことなので、屋号で答えました。すると理解が得られたみたいで、ここには金輪際来るなと言われました。
その神主のような人物が何か唱えると、男性と友人は鳥居の前に移動していたそうです。
不思議な話ですね。